フルウチ化学の取り組みについて
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スパッタリングターゲット

当社発展のきっかけとなったのがスパッタリングターゲットの開発。スパッタリングターゲットのパイオニアであるフルウチ化学が、いかに走り続けてきたかを紹介いたします。

開発のきっかけは公害問題

30年余り前、公害問題が世間を騒がせていました。メッキ工場からシアンの垂れ流しがあり、そのせいで魚などが大量に死んでいると大きく報じられていました。それを見て私はひらめいたのです。これからの時代は、シアンを使わないコーティング、物理的・機械的に膜付けするスパッタリングだ。その材料をつくろうと。

 

スパッタリングターゲット

当時は、スパッタリング装置を輸入していた関係で、スパッタリングターゲット(材料)も100%輸入に頼っていました。そんなある日、同じ素材のスパッタリングターゲットなのに、1回1回の寸法や厚みが違うと指摘をうけたのです。出資者である友人はやさしく教えてくれました。「スパッタリングターゲットに使う、とくに絶縁体やセラミックスなど導電性のない物質はマグネトロンなんだ。だからセットアップしてある装置の磁場が変わると、原子の飛び方や成膜スピードや膜厚が変わってしまうんだよ」と。この温かいアドバイスが後押ししてくれ、自社でのスパッタリングターゲットの製造を開始しました。

金属のターゲットは材料を購入して、ユーザーの寸法に合わせて加工。さらに、小さなものは大学などで焼成してもらえばいいと、最初は安易な気持ちで取り組んでいました。しかし、20年前に先を見越し、12"φまで作製できる真空ホットプレスを導入。そのころはまだ、材料メーカーでこんなに大きな装置を導入したのは零細企業のフルウチ化学だけだったので、世間で驚かれたほどです。ですが、スパッタリングターゲットは今では製造業の中心となり、大手企業がこぞって参入。それでも、フルウチ化学は国内最初のターゲットメーカーとして位置づけられています。

現在では10社程度が、自社の技術と資源を生かしたターゲットメーカーへとシフトしてきています。現在では、設備産業的要素が強くなったため、当社は研究用・実験用のスパッタリングターゲットを主流としています。これからも、小廻りを生かした国内最初のターゲットメーカーとして、未来を見据えながらオールマイティに活動していきたいと思っています。

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